バイオ燃料が世界の食糧供給などに影響を及ぼすと憂慮されているにもかかわらず、世界におけるバイオ燃料の需要は年間約20%のペースで伸び、2011年には9,200万メートルトンに拡大するでしょう。市場の拡大はバイオエタノールの世界市場が2倍以上に拡大し、またバイオディーゼルの世界需要がこれまでより急速に伸びたことなどに起因しています。他のバイオ燃料の需要も拡大していますが、バイオディーゼルやバイオエタノールほどではありません。地域別に見ると、この需要拡大は北米のバイオ燃料、特にバイオエタノール市場の急速な拡大によるものです。 アジア太平洋地域や西欧では、より急激な上昇が見られますが、絶対利益は北米の大規模市場からもたらされています。同様に、アフリカ・中東および東欧市場は、小規模ながら平均をかなり超える需要拡大が見られます。ラテンアメリカの成長はやや緩慢ですが、これはブラジル市場におけるバイオエタノール需要がすでに拡大しているからです。これらの動向については、クリーブランドを拠点とする市場調査会社 The Freedonia Group.Inc. が発行した最新の調査報告書「World Biofuels」に掲載されています。
近年の世界市場におけるバイオ燃料の需要拡大は、政治、石油価格の高騰、地球温暖化に対する懸念や、バイオ燃料の潜在的経済機会などの要因が組み合わさり、多くの国々で同産業を支援する法律が制定されたからだと見られています。また世界におけるバイオエタノール需要が伸びた要因は、米国での強力なロビー活動と、石油価格の高騰によるブラジルのバイオエタノールへの需要拡大によるものと考えられます。地球温暖化への懸念が欧州連合のバイオエタノールとバイオディーゼル需要を上昇させることにもなりました。一方、アジア太平洋地域では、地域経済の活性化の手段としてバイオ燃料プログラムを実施しています。
世界のバイオ燃料生産は需要拡大に追従して伸びていくでしょう。これは数多くの国々で国内のバイオ燃料産業を育成し、輸入原油への依存度を軽減し、国内の経済発展につなげていこうとしているためです。こうした動向により、北米および西欧における穀物(トウモロコシや小麦)を原料とするバイオエタノールのキャパシティが向上し、またラテンアメリカにおけるサトウキビを原料とするバイオエタノールの生産が発展するでしょう。 バイオディーゼルの生産については南北アメリカでは大豆油が中心で、欧州では菜種油、アジア太平洋地域ではヤシ油(ジャトロファ油が増加している)が中心となっています。長期的には、次世代のセルロース系バイオエタノールや藻類バイオディーゼルの生産技術が商業的には重要なものになるでしょう。