米国市場における化学溶剤の需要の伸び率は、 年1%を下回ると見られており、 2012年の時点で118億ポンド(およそ535万トン)になる見通しです。 コーティングメーカーや印刷用インクメーカー、 接着剤メーカーは、 製品に含まれる揮発性有機化合物(VOC)の量を減らすためさまざまな対策を講じており、 化学溶剤に対する需要の伸び率は、 今後も米国の経済成長率を下回り続けると思われます。 しかし、 特殊溶剤や環境負荷の少ない「グリーン溶剤」、 毒性プロファイルや大気汚染プロファイルが良好な既存の溶剤などの分野では、 今後も一定の成長が見込めます。 各種産業分野をカバーしている調査会社The Freedonia Groupがこのほど発行した調査報告書「Solvents」には、 米国の溶剤市場におけるさまざまなトレンドが紹介されています。
既存の溶剤製品のうち、 今後最も大きな成長が見込めるのはエステルとアルコール製品類であり、 コーティングや洗浄剤、 化粧品、 トイレタリーなどの市場で需要が拡大すると思われます。 一方グリコールは、 不凍剤を再利用するための取り組みが進み、 寿命の長い自動車用冷却液の需要も伸びることから、 あまり大きな成長は期待できません。 また炭化水素溶剤や塩素系溶剤の需要も長期低落傾向が続きますが、 どちらも消費量の落ち込みは以前ほど大きくなりません。
環境問題や有毒物質に対する懸念が高まるなか、 従来の溶剤に代わる存在として、 グリーン溶剤に注目が集まっています。 グリーン溶剤は、 すべての主要な製品類で従来の溶剤よりも急激に需要を伸ばす見通しであり(ただし現在の利用量はあまり大きくありません)、 とりわけ過酸化水素や超臨界流体など比較的使用量の少ない製品で急激な伸びが期待できます。 これに対し、 プロピレングリコールや松根油、 大豆油など、 成熟度の高い製品に対する需要の伸びは比較的ゆっくりとしたペースになりますが、 溶剤市場全体の伸び率は上回る見通しです。